優雅なドレスウォッチ ポートフィノ

突然ですが、皆様東京ディズニーシーを訪れたことはありますでしょうか。
ディズニーシーのエントランスを抜けると大きな地球儀があります。
そのまま石のトンネルをくぐると大きなプロメテウス火山が見えてきて、美しい港町が広がります。
そこはメディテレーニアンハーバーと呼ばれるエリアで、実在するイタリアのポルトフィーノという港町がモデルとされています。
今回ご紹介する時計は、同じくポルトフィーノを題材にして誕生したIWC ポートフィノ。
Ref. IW356522の写真と共に、時計に込められたエレガンスな魅力をお届けいたします。
ポートフィノの誕生

1960年代後半、業績を伸ばしていたIWCは1973年に過去最高の出荷本数を記録します。
しかしクオーツ時計の普及とスイスフラン高、また金価格の高騰により経営は悪化。
そんな中、IWCは再起をはかる取り組みを2つ考えました。
ひとつはスポーツウォッチへの参入です。
ジェラルド・ジェンタがデザインした「インヂュニア SL」は当時商業的な大ヒットを収めたとは言えなかったものの、後のポルシェデザインとのコラボやGSTコレクションに結実します。
そしてもうひとつは懐中時計へのシフトです。
1970年代終わり頃、IWCは腕時計の製造を中止して懐中時計専業メーカーとしての存続を考えるようになります。
設計者のクルト・クラウス氏は、懐中時計のムーブメントにカレンダーやムーンフェイズの機構を加えることで新たな時計を作ろうとしました。
彼は後に複雑時計「ダ・ヴィンチ」(西暦2499年までの永久カレンダー表示とクロノグラフ機能を併せ持つ)をコンピュータ無しで設計してしまうほどの天才設計士です。
そんなクルト・クラウス氏はIWCのデザイン主任を務めていたハノ・ブルチャー氏と共に、ラウンドケースに簡素なラグを取り付けた、まさに懐中時計をそのまま腕時計にしたようなRef.5251を考案します。
このモデルが祖となり、1984年ポートフィノは誕生しました。
余談ですが、IWCはこの時代にイタリアの地名にちなんだコレクションを3つ発表しています。
クロノグラフの「アマルフィ」、トノー型の「ヴェネチア」、そしてラウンドの「ポートフィノ」です。
これは当時イタリア市場が大きかったことが関係しており、販売としてはポートフィノのみヒットしたため、今もなお人気コレクションとして現存している背景があります。
ポートフィノの魅力

クラシカルでエレガンスな雰囲気が魅力のポートフィノは、冒頭にも書きましたがイタリアのポルトフィーノという港町をモデルにしており、そのライフスタイルが反映されています。
時計のケースを見てみるとベゼルから裏蓋にかけて、どこを切り取っても丸みを帯びています。
カルティエのバロンブルーも似た形状のケースをしていますが、バロンブルーよりもラグ幅が広く、フェミニンな印象を受けないバランスが秀逸です。
そしてこのケースの丸みは、光が当たったときに本領を発揮します。
角が立ったケースは光を反射するのに長けていますが、ポートフィノはケースのカーブに沿ってなぞるように光輝きます。
これは丸みを帯びたポートフィノならでは楽しみ方で、非常にエレガントな演出だと思います。
イタリアのポルトフィーノは、もちろんそこに住んで生活を営む方もいますが、高級リゾート地として有名で余暇を楽しむ方も沢山います。
普段の日常も、特別な休日も、そのゆったりとした時の中で自分たちの時間を過ごす。
ディズニーが夢の国の玄関口としてモチーフにした理由も納得です。
ポートフィノは、そんなエレガンスな時間を過ごすときに共にしたい時計ではないでしょうか。
現行モデルRef.3565系

歴代モデルを振り返ってみますと、1980年代後半に発表されたRef.3513は、自動巻きかつデイト有りのベーシックなポートフィノとして特に人気がありました。
その後2003年に38mmのRef.3533、2007年に39mmのRef.3563、そして2011年に40mmのRef.3565と移行していきます。
これ以降もサイズ違いは加わるものの、基本デザインは2011年モデルを踏襲し、現在に至ります。
今回ご紹介する現行のRef.3565系は、文字盤が特徴的です。
厚みのあるアプライドインデックスは、丸みを帯びて高級感があります。
文字盤側へ先端が曲げられている針は今でこそ多く見られる仕様ですが、量産メーカーではIWCが先駆けでした。
あえて先端を細く絞り切らないところは、インデックスの丸みと調和し、エレガンスさが増しています。
また、後付けされたかのようなラグは鍛造ではなく切削によるもの。
ケースはベゼルが外せる3ピース構造に見えますが、実は従来通り2ピースケースを採用していてこだわりが感じられます。

裏蓋はゴールド素材のみ、ポルトフィーノの街並みがエングレービングされています。
また留め方はネジ式を採用しており、スクリューバックのポルトギーゼなどと異なり厚みを抑えています。
銅の配合が多い18Kレッドゴールドケースは、深みのある青文字盤との組み合わせが珍しくとても優雅です。
シンプルでクラシカルさが魅力のポートフィノの中でも、個性的な雰囲気が感じられます。

いかがでしたでしょうか。
IWC ポートフィノ Ref. IW356522
随所に散りばめられたエレガンスをご紹介いたしました。
一見シンプルに見えますが、誕生した歴史やディティールを知るとIWCのポートフィノに込められた様々な思いが読み取れるかと思います。
光がケースをなぞる演出は是非、直接手に取って御覧ください。
皆様のご来店を心よりお待ちしております。
◆IWC – ポートフィノ
【型番(型番)】IW356522
【素材】18Kレッドゴールド
【文字盤】ブルー
【ベルト】レザー
【ムーブメント】自動巻き
【ケースサイズ】40mm
【防水性能】日常生活防水
【付属品】箱・保証書
【商品の状態】中古品
【保証】1年



