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グランドセイコー ハイビートへの挑戦

グランドセイコー ハイビートへの挑戦の紹介画像

機械式時計で度々話題になる振動数。

振動数という観点で時計を深く考えたことはありますでしょうか。

 

振動数とは、機械式時計の心臓部であるテンプの振動する速さを示すものです。

今日の一般的な振動数は、28800振動/時(8振動/秒)と言われており、36000振動/時(10振動/秒)はハイビートと言われます。

逆に懐中時計やアンティークでは、18000振動/時(4振動/秒)や21600振動/時(6振動/秒)のロービートが多く存在します。

 

日本が誇るセイコーは、高振動の時計「ハイビート」の歴史も深く、数多くの高振動な時計を輩出してきました。

今回はそんな振動数に着目しながら、グランドセイコー スポーツコレクション メカニカルハイビート GMTの魅力をご紹介します。

 

 

 

ハイビートのメリット・デメリット

グランドセイコー ハイビートへの挑戦の紹介画像

ハイビートの時計のメリットは、精度が安定し、衝撃に強くなること。

速く回すほど倒れにくくなるコマと同じ理屈です。

 

しかしメリットだけではありません。

まず挙げられるのはパーツにかかる負担が大きくなるということです。

例えば、全く同じ条件で振動数だけを倍に上げようとすると、理論上では主ゼンマイのトルクを4倍にする必要があります。

それだけ力強いゼンマイを収めるためには、それなりのスペースを確保しなければならず、部品の摩耗が懸念されます。

 

それでは、ゼンマイのトルクを変えずに振動数だけを上げようとするとどうなるか。

巻き上げたゼンマイの解けるスピードが早まるのでパワーリザーブが短くなります。

 

つまり、限られたゼンマイのトルク(ムーブメント唯一の原動力)を、「振動数」と「パワーリザーブ」のどちらに分配するのかという点が重要になります。

もしどちらも両立しようとすると、パワーのあるゼンマイを収めるために大きくて厚いムーブメント設計にしなくてはならず、パーツの摩耗も激しくなるのです。

 

 

 

グランドセイコー ハイビートへの挑戦の紹介画像

ブレゲ クラシック ツインバレル Ref.5907BR/12/984

 

振動数とパワーリザーブという観点でマイナーチェンジされた時計があります。

こちらのブレゲ クラシック ツインバレル Ref.5907です。

前期型・後期型があり、ベースは同じなのですが一部ムーブメントの仕様が異なります。

前期型Cal.510DRは28800振動/時・72時間のパワーリザーブでしたが、後期型Cal.511DRは21600振動/時・96時間のパワーリザーブになりました。

つまりRef.5907は、振動数を落とすことでパワーリザーブを伸ばすマイナーチェンジが行われたのです。

 

安定した精度や耐衝撃性を選ぶか、パーツに優しいロングパワーリザーブを選ぶか。

作り手の想いがそこには込められているのです。

 

 

 

Cal.9S85

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セイコーの過去の話をします。

1960年代後半、セイコーは高振動な時計製作に注力しており、スイスで開催される精度を争うコンテスト「天文台クロノメーター」を席巻しました。

コンクールはまもなく終焉を迎えるのですが、その理由はセイコーに世界の頂点の座を奪われることをスイス側が恐れたからでした。

それほどまでに高振動化は時計の精度を安定させました。

 

しかし上述したように、ハイビートにすることでパーツの摩耗が散見され、セイコーはしばらく高振動の時計開発から手を離れていました。

そして約40年ぶりに36000振動/時のハイビートムーブメントCal.9S85を発表します。

ハイビートの復活、満を持しての発表とあって、かつてのデメリットを見事に解消したムーブメントでした。

 

高振動な時計は、ガンギ車の歯数を増やすことで振動数を高めるという方法が一般的です。

しかし歯数が増えると接触回数が増え、油切れや不安定な動きが多発し、最終的にパーツが摩耗してしまいます。

そこでセイコーは歯数ではなく、歯車を増やすことで振動数を高めました。

それがガンギ車と4番者の間に加えられた「ガンギ中間車」です。

これは実際60年代に用いられていた手法でしたが、パワーリザーブ不足が問題になり、廃れていった技術でした。

 

そこで主ゼンマイを素材から見直し、約55時間のパワーリザーブを実現します。

6年かけて開発した新しい主ゼンマイは「スプロン530」を採用し、グランドセイコー他モデルの28800振動/時で用いている「スプロン510」と比較して、バネ力を6%、駆動時間を5時間向上させました。

トルクは強まったものの、他社のハイビートの2/3以下に留めることに成功しています。

 

他にも、ガンギ車の歯先に段差を作ることで油が溜まりやすい構造にしたり、パーツのほとんどに焼き入れか硬化メッキ処理を施すことで強いトルクに耐えられるようにしました。

36000振動/時の高振動なムーブメントは他にもありますが、Cal.9S85は群を抜いて耐久性が高いと言われています。

ハイビートによって引き起こされるパーツの摩耗とパワーリザーブの問題を改善した、グランドセイコーを牽引するムーブメントとなりました。

 

 

 

視認性

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グランドセイコーの時計は、正確さ、美しさに加えて視認性が高い特徴があります。

一般的には、文字盤に対して針やインデックスを着色することでコントラストを付けますが、グランドセイコーは仕上げで視認性を確保しています。

 

ダイヤモンドカットされた針と背の高いアプライドインデックスは、鏡面仕上げとサテン仕上げを使い分けて陰影をはっきりさせ、正直夜光が必要ないほど文字盤から浮き上がって見えます。

 

一般的に振動数を高めると、針を回すトルクは減ります。

ハイビートの時計を設計する場合、必要最低限のトルクで動かせる細くて軽い針を用いることが多く、デザインの幅が狭まります。

しかしグランドセイコーは、本来持っているパワーリザーブを短くすることで写真のように肉厚な太い針を採用しています。

 

パワーリザーブを伸ばすために主ゼンマイの素材から見直していたグランドセイコーですが、視認性を確保するためにはこの力強い針を持たせなければならないという、譲れない信念があったのかもしれません。

 

 

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今回ご紹介するスポーツコレクション メカニカルハイビート GMT

Ref.SBGJ237はCal.9S86を搭載。

このムーブメントを先ほどのCal.9S85をベースにGMT機構を付加しているため、3か国の時刻を表示することができます。

 

コントラストの効いた2色のベゼルが非常に綺麗なスポーツウォッチ。

ふっくらとしたサファイアベゼルの透明感が、更に爽やかさを引き立てています。

 

針やインデックスと同様、ケースやブレスレットの仕上げも素晴らしいです。

ザラツ研磨に切削を加え、歪みの無い面を追求してきたグランドセイコーならではの立体感。

どこを切り取っても絵になる、一緒に外に出かけて、自然光を当てて眺めたい時計です。

 

そしてなんといっても36000振動のハイビートであるということ。

安定した精度と、耐衝撃性に優れたムーブメント。

200m防水に55時間パワーリザーブとスペックも申し分ありません。

 

 

グランドセイコー ハイビートへの挑戦の紹介画像

いかがでしたでしょうか。

振動数という観点で時計を深掘りしました。

 

グランドセイコーのハイビートは、実用性や視認性のために沢山の研究開発を乗り越えて誕生していることが分かりました。

きっと文字盤の「HI BEAT 36000」という文字の見え方も変わってくると思います。

 

歴史や知見溢れる爽やかな時計を、直接手に取って御覧ください。

皆様のご来店を心よりお待ちしております。

 

 

 

◆グランドセイコー – スポーツコレクション メカニカルハイビート GMT

【型番(型番)】SBGJ237(9S86-00K0)

【素材】ステンレススティール

【文字盤】ブルー

【ベルト】ブレスレット

【ムーブメント】自動巻き

【ケースサイズ】44mm

【防水性能】200m防水

【付属品】箱・保証書

【商品の状態】中古品

【保証】1年

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