シードゥエラー Ref.16600

1953年に誕生して以来、大きくデザインを変更することなく、しかし外装もムーブメントも飛躍的な進化を遂げてきたサブマリーナー。
そんなサブマリーナーにヘリウムエスケープバルブを搭載し、更なる改良を経て誕生したシードゥエラー。
今回はプロのために開発されたシードゥエラー Ref.16600をご紹介いたします。
苦杯を超えて誕生

20世紀半ば、海洋開発や石油掘削作業が盛んに行われ、ダイバーたちはさらなる防水性を持つ時計の開発を渇望していました。
そこで活躍した世界最大の潜水専門会社が、フランス南部マルセイユを本拠とする1961年創業のコメックス社です。
ロレックスは当時から既にサブマリーナーをダイバーたちに支給し、潜水ミッションに従事する多くがRef.5513のサブマリーナーに信頼を寄せていました。
しかし、潜水可能な深度がますます深くなると風防が吹き飛ぶ事故が多発。
原因は、飽和潜水時におけるヘリウムガスであると判明します。
深海で作業をするダイバーは、ボンベに酸素とヘリウムの混合気体を使用します。
分子の小さいヘリウムは長時間の作業中に僅かな隙間から時計の中に侵入し、そのまま浮上すると圧縮されていたヘリウムが膨張し、時計が破裂するというのです。
それを避けるために開発されたのが、時計内部のヘリウムを排出する「ヘリウムエスケープバルブ」です。
ROLEXはその時計をCOMEX社の専用モデルとして、ケースバックに専用ID番号を、ダイアルには「COMEX」の社名を刻み、Ref.5514という型番を生みました。
1971年、これらに加えて最大610mの防水性まで向上させたモデルRef.1665こそ、今回の主役シードゥエラーです。
1978年にはサファイアガラス風防、改良されたヘリウムエスケープバルブ、そして以前より倍の1220mまで防水性を備えた2代目Ref.16660がリリースされます。
Ref.16600

そして今回ご紹介するRef.16600は1991年~2008年に生産され、シードゥエラーの3代目にあたります。
2代目から大きな変更は無く、ムーブメントや各パーツのブラッシュアップが行われました。
生産期間が長く、同じ型番でも年代によっていくつか仕様の変更が見られます。
例えば夜光です。
元々使われていたトリチウムは自発光塗料の放射線夜光物質で、健康被害などの観点から使用規制に伴い、蓄光塗料のルミノバへ変更されました。
トリチウムが使用されていたのはU番中頃1997~98年頃までと言われており、ルミノバへの移行期には文字盤表記がSWISSのみのオンリースイスであったり、トリチウム表記の文字盤にルミノバが塗布されたトリチノバが存在します。
この夜光の違いは、5桁のロレックスでは必ず付き纏う仕様の違いで、経年変化やヴィンテージ感を楽しめるトリチウムか、綺麗な状態を保ちやすく比較的価格が安定しているルミノバか、人気が分かれるポイントになります。
次にブレスレットです。変更点は、エクステンションリンク(バックルの延長部分)が板バネからコマに変更されました。
具体的にはロック機能が加わり、誤作動を誘発しないように安全性を高めました。
そもそもエクステンションブレスは、ダイバーが潜水服の上からでも着けられるように、いつでも簡単にブレスレットを伸ばせるように開発された機構です。
1つのミスも許されない、まさにプロフェッショナルのための小さな変更です。
他にはケースの仕様変更として2003年頃から横穴が閉じます。
風防も変更されたことで王冠マークの透かしが刻まれるようになります。
90年代初期には先端ドットと呼ばれる、夜光のドットが通常よりも外周に寄っている秒針の個体も存在します。
同じ型番でもこれだけ個性がありそれぞれ人気が分かれるため、「私の16600は」と語れるところがマニア心をくすぐります。

シードゥエラー持っている方に聞いたのですが、着けていると必ずと言っていいほど「サブマリーナーですか?」と間違われるそうです。
ルーツを辿れば同じ時計に辿り着きますし、時計好きでなければほとんど違いが分からないかもしれません。
同時期のサブマリーナー デイト Ref.16610と比較してみます。
ヘリウムエスケープバルブ以外に見た目の違いを挙げるとすれば、日付位置にあるサイクロップレンズで、シードゥエラー Ref.16600にはありません。
基本的なROLEXの日付有りモデルには通常装備されるサイクロップレンズですが、シードゥエラーは水圧が凄まじい過酷な環境下での使用を想定しており、その圧を均等化するためにレンズを付けていません。
このスマートなデザインを好まれる方も多くいらっしゃいます。
また以下のスペックも違いがあります。
サブマリーナー シードゥエラー
厚さ 約13mm 約15mm
重さ 約135g 約148g
防水性 300m 1220m
シードゥエラーの方が分厚く、重たい、そして4倍もの防水性を備えています。
これだけの差があれば、見た目が似ていてもシードゥエラーを選びたくなる時計好きの方々が後を絶たないのも納得です。
装着感とスタイル

厚みがあり裏蓋が出ているため、装着すると腕と時計の間に隙間ができます。
一見すると身に付けにくそうなのですが、ラグのカーブと相まって、見た目ほど装着感は悪くありません。
むしろ裏蓋が出ているため腕に触れる接地面が狭く、通気性がありながら、しっかり身に着けている感が楽しめる独特な時計だと思います。
また、現行のRef.126600赤シードゥエラーの43mmに比べてこちらは40mmのため、日本人の体形にもマッチしやすいです。
例えば、夏にTシャツと合わせるというロレックスのスポーツモデルを一番引き立たせるスタイルでは相性抜群、最高にマッチします。
ファストファッションもサンダルも、シードゥエラーを付けていれば男らしさを演出できてコーディネートが完成してしまうから不思議です。
フォーマルにダイバーズは合わせにくいかもしれませんが、色味は落ち着いているため、カジュアルダウンに織り交ぜることも可能ではないでしょうか。

いかがでしたでしょうか。
サブマリーナーの上位機種として、プロのために作られたシードゥエラー。
そのプロ仕様時計を日常使いするという、リッチな時計選びもまた人生を豊かに彩りそうではありませんか。
是非、直接手に取って御覧ください。
皆様のご来店を心よりお待ちしております。
◆ロレックス – オイスターパーペチュアル シードゥエラー
【型番(型番)】16600
【素材】ステンレススティール
【文字盤】ブラック
【ベルト】ブレスレット
【ムーブメント】手巻き
【ケースサイズ】40mm
【防水性能】1,220m防水
【付属品】箱・保証書・修理明細書
【商品の状態】中古品
【保証】1年



