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“時‐とき‐”を表す機構

“時‐とき‐”を表す機構の紹介画像

暦の上では春がやってきましたが、まだまだ寒暖差がはげしい毎日です。
日本で用いている うえでいう“暦(こよみ)”、立春などの“節気”という時の表し方は、二十四節気といい 旧暦である太陰暦に基づいた表し方です。
現在、日本を含む全世界的に共通で時を表すのに用いられているのは、グレゴリオ暦という 太陽の動きを基にした太陽暦です。

時計は日時計から始まっている “時” を表す仕組み。時刻だけではなく、どんどんと時を表す仕組みは精巧に進化し、現在では様々なカレンダー(グレゴリオ暦)を表示する機構が開発されています。
それぞれの機構に付けられた名称が時計のモデル名に含まれていたり説明文にも専門用語のように飛び交っていたり、同じ機構名でも盤上での表し方は様々です。時計に詳しくないと 何がどういうものだかわかりにくいものもあるかと思いますので、本日はカレンダー機構について、当店の商品とともに簡単に紹介していきます。

 

・カレンダー機構

カレンダー機構は大きく分けて3種類あります。

  1. デイト表示など シンプルなもの
  2. アニュアルカレンダー
  3. パーペチュアルカレンダー

 

1. デイト表示

多くの時計に搭載されているもので、1~31までの日付を一日ずつ表示するもの。極シンプルなものなので、31が無い小の月は手動で1日に進める必要があるなど人の手による調整が必要です。

表示形式として一般的なのは1~31までの数字が書かれたディスクの上に設置した窓から見えるようにしたもの。他に、十の位と一の位それぞれにディスクを用いて合計2枚のディスクを使い、同じく窓から見えるようにしたビッグデイト、文字盤外周に日付を配置し針で指し示すポインターデイトなどがあります。
ビッグデイトなどはブランドにより呼び名が変わることもあり、特にランゲ&ゾーネはビッグデイトの即時切替などの技術が高く、ブランドを象徴する機構といえます。

スケルトンで構造が分かりやすい2枚のディスクのビッグデイトスケルトンで構造が分かりやすい2枚のディスクのビッグデイト

*デイト表示 (日付窓)

“時‐とき‐”を表す機構の紹介画像オーデマピゲ 15300ST.OO.1220ST.01 ロイヤルオーク

*ビッグデイト(グランデイト、パノラマデイト などブランドにより名称が異なる)

ランゲ&ゾーネ 405.035(LS4052AD) ダトグラフ アップ/ダウンランゲ&ゾーネ 405.035(LS4052AD) ダトグラフ アップ/ダウン

*ポインターデイト

“時‐とき‐”を表す機構の紹介画像パテックフィリップ 6000G-010 カラトラバ

 

*その他

少し珍しい表示として、ディスクに書かれた日付を、上に重ねられた回転する透明ディスクに描かれたポイントで指し示すものもあります。

“時‐とき‐”を表す機構の紹介画像ヴァシュロンコンスタンタン 4500S/000A-B196 ケ ド リル

同じく比較的シンプルな機構として、日付だけではなく曜日も表示するものもあり、とくにロレックスの デイデイトは初めてフルスペルの曜日表示をしたことで有名です。

ロレックス デイデイトロレックス デイデイト

 

2.アニュアルカレンダー(年次カレンダー) 

日付・曜日・月、モデルによっては 加えてムーンフェイズを表示するカレンダー機構のうち、大の月小の月の手動調整が必要ないもののことを指します。30日から翌日1日へ自動で進み、1年のうち2月末から3月1日への1度だけ手動での調整が必要です。

いまや複雑機構の一つとして当たり前のように認知され、多くのブランドからリリースされているこの機構は、1996年にパテックフィリップによって創作されたものです。
この次に紹介するパーペチュアルカレンダー(永久カレンダー)と先ほど紹介したシンプルなカレンダー機構とでは、技術的にも価格的にも開きが大きすぎることが長年の懸案であり、二つの機構の間を埋めるものとして年次カレンダーが開発されました。
永久カレンダーを簡素化したものではなく、通常のシンプルなカレンダー機構をアップデートするという形で新たに開発された機構です。
表示形式には窓で表示するものやインダイヤルと針で示すものがあります。

“時‐とき‐”を表す機構の紹介画像パテックフィリップ 5036/1R-001 アニュアルカレンダー

“時‐とき‐”を表す機構の紹介画像パテックフィリップ 5205R-011 コンプリケーション アニュアルカレンダー

 

3.パーペチュアルカレンダー(永久カレンダー) 

その名の通り半永久的に手動調整の必要のないカレンダー機構です。アニュアルカレンダーと異なり、2月末から3月への調整が必要ないどころか閏年まですべて機構として計算し設計されています。現在パーペチュアルカレンダー搭載のモデルは西暦2100年まで対応のものが多く、これ以降100年ごとに訪れる閏年の例外の際に手動調整が必要になるといわれています。
計算が狂わないよう動かし続けることが必要にはなりますが、間違いなく最高の技術が用いられた最高峰の機構です。そのため作れるブランドは限られています。

表示方法は、アニュアルカレンダーと同じく窓を使うもの、インダイヤルを用いるもの、それらを併用するものがあります。アニュアルカレンダーとの表示上の違いは閏年を判別できるようにしてある点。窓から色で示すものや針で示すものまで様々です。

“時‐とき‐”を表す機構の紹介画像左: ヴァシュロンコンスタンタン 4300V/000R-B509
オーヴァーシーズ エクストラフラット パーペチュアルカレンダー、
右:パテックフィリップ 5320G-001 グランドコンプリケーション パーペチュアルカレンダー

 

 

その他

アニュアルカレンダーやパーペチュアルカレンダーと同じようにデイト・曜日・月(・ムーンフェイズ) を表すものの、大の月小の月の手動調整を必要とするものもあり、トリプルカレンダーやコンプリートカレンダーと呼ばれます。
超複雑機構のカレンダーと同じ情報量をもちつつも、機構としては複雑さを押さえているため 価格が抑えられるのも魅力です。機構としての複雑さが減るため設計の自由度が増すのか、表示の仕方などが豊富で デザイン性に富む印象があります。

 

“時‐とき‐”を表す機構の紹介画像ブランパン 6264-1127-55B ヴィルレ コンプリートカレンダー

 

“時‐とき‐”を表す機構の紹介画像ヴァシュロンコンスタンタン 4000E/000A-B548 フィフティーシックス コンプリートカレンダー

 

 

以上、ざっくりとカレンダー機構についてご紹介しました。

複雑になればなるほど高い技術力を必要とするため比例して価格は高くなりますが、その分 機械的な魅力や美しさなど、手にした時の満足度も高くなるでしょう。
また、それぞれの機構には開発の歴史があり、ランゲのビッグデイト、パテックのアニュアルカレンダーなどのようにブランドの歴史と深くかかわりがあり、特別に力を入れているものなどもあります。技術や開発の歴史へ話を広げるといつまでも終わりませんので今回はざっくりとご紹介しました。
ぜひ ご自身にふさわしい1本を見つけに、当店へお越しください。お待ちしております。

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