キングセイコー バナック 歴史的背景やデザインの魅力

今回は2025年に発表されたキングセイコーの新作「VANAC(バナック)」をご紹介します。
クロンヌでは初入荷となるモデルで、スタッフの間でも注目度の高い一本です。
セイコーのアンバサダーといえば、2016年から就任している大谷翔平選手。
これまでプロモーションでは、アストロン や プロスペックス ダイバーズ などを着用してきましたが、今回ご紹介するバナックも着用しています。
ブランドとしても特に力を入れているコレクションであることがうかがえます。
本記事では、バナックとはどんなモデルなのか、誕生の歴史的背景やデザインの魅力を交えながらご紹介します。
キングセイコーとは

キングセイコーは1961年、東京・亀戸の第二精工舎で誕生しました。
高度経済成長期の日本において、国産の高級機械式腕時計として登場し、当時のウォッチシーンを牽引した存在です。
しかし1970年代、クオーツ時計の台頭によって生産終了。
その後、長い沈黙の時を経て2022年に約半世紀ぶりの復活を果たしました。
掲げられたフィロソフィーは「The Newest Classic ─ 時代を超えて愛される」
伝統的なデザインを継承しながら、現代の技術と融合したコレクションとして再スタートしています。
復活後のキングセイコーは、3つのデザインラインで展開されています。
まずは直線的なケースが特徴の「KSK」デザイン。
続いて薄型ドレススタイルを特徴とする「KS1969」。
そして2025年、3本目の柱として加わったのが、スポーティなデザインを担うバナックです。
1970年代という時代背景

バナックのデザインを理解するうえで欠かせないのが、1970年代という時代背景です。
当時の時計業界では、クオーツショックの影響から市場が大幅に変化。
生き残りをかけて各社大胆な戦略に一石を投じるなかで、1960年代まで主流だったクラシックなドレスウォッチから、よりスポーティで個性的なデザインへと大きく変化していきました。
この流れはスイスブランドをはじめとする世界的なもので、カラーダイヤルや大胆なケースデザインなど、従来の枠にとらわれない表現が広がっていきます。
日本でも経済成長とともに若い世代の時計需要が拡大し、ファッション性や個性を重視するニーズが高まります。
人とは違うものを身につけたいという感性に応える形で、バナックは多彩なケースフォルムやカラーダイヤルを取り入れました。
つまりバナックは単なる奇抜な時計ではなく、当時の世界的なデザイン潮流を取り入れた国産高級時計でもあるのです。
バナックとは

2025年に登場した新しいバナックは、1972年のモデルを現代的に再解釈したシリーズです。
コンセプトは “Tokyo Horizon”
キングセイコー誕生の地である東京から広がる地平線をイメージし、ケースやブレスレット、ダイヤルのデザインが構成されています。
ケースは金属の塊を削り出したような重厚な造形、ベゼルを排した設計により伸びやかな印象も持ち合わせています。
さらに高度な研磨によって歪みのない鏡面仕上げが施されています。

ダイヤルには水平方向のストライプ模様。
1970年代のバナックに着想を得たインデックスリング(分目盛りが刻まれた立体的なリング状の別パーツ)も採用されています。
12時位置のインデックスと秒針には「V」を象ったデザインが取り入れられているのも特徴です。
搭載されるムーブメントはCal.8L45。
日差+10秒〜−5秒というセイコーの現行メカニカルムーブメントとして最も安定した精度を誇り、約72時間のロングパワーリザーブを備えています。
スペックはグランドセイコーのCal.9S65にも近い内容でありながら、メーカー定価は40万円以下に抑えられています。
1970年代の個性的なデザインを継承しながら、現代の品質と機能性で再構築されたコレクションです。
実際に手にしてみて

文字盤には Tokyo Horizon を表現したストライプパターンが施されています。
パープルモデル(左)は「夕暮れ時」、ネイビーモデル(右)は「真夜中」の東京の景色をイメージしています。
パープル文字盤は広告で見ると非常に鮮やかな印象ですが、実際に見るとそこまで派手すぎることはありません。
光が当たると、パープルの色味とゴールドカラーで縁取られた針たちが絶妙なバランスで輝きます。
一方のネイビーは、黒に近いダークネイビー。
光を受けると深い青が現れ、ビジネスシーンでも違和感なく使える落ち着いた大人な表情です。

そして個人的に最も魅力を感じたのはケースの造形です。
グランドセイコーのザラツ研磨も有名ですが、この価格帯でこれだけの多面カットを施した仕上げは非常に見応えがあります。
面の構成が複雑で、それを大胆に表現。
クラシックなキングセイコーが「端正な彫刻」であるとすれば、バナックは「幾何学的な立体作品」と言えるかもしれません。
着用感

腕に乗せた第一印象は、やはりその存在感の大きさです。
厚さ14.3mmのケースは重量感があり、ベゼルレスな見た目でスッキリしているものの実際の装着感はしっかりしています。
金属の塊から削り出したようなダイナミックな形状が、そのまま腕元の存在感につながっています。
ブレスレットはバングルのように幅広ですが、細かいコマが連なる構造によりしなやかな着け心地を実現しています。
個人的には、ややゆとりを持たせたサイズ感で調整すると手首への負担が少ないように感じました。
キングセイコーの商品企画担当とデザイナーのインタビューでは、次のような言葉も印象的でした。
「41mmというケースサイズは、今の流れからすると少し大きく、逆張り的かもしれません」
「サイズを大きくすることで存在感を際立たせ、スポーティなニュアンスを表現したかった」
実際に腕に乗せると、その狙いがよく分かります。
存在感に見合った重量感があり、腕にする喜びを高めてくれる時計です。

いかがでしたでしょうか。
キングセイコーの中でも独特な存在感を放つバナックをご紹介いたしました。
グローバルアンバサダーを務め、自身もキングセイコーを所有する俳優の鈴木亮平さんは、バナックを「人と違うことを恐れない人たちのための腕時計」と表現しています。
知っている人には強く刺さり、知らない人には新鮮に映る。
個性的で愛着の持てる一本を探している方には、ぜひ手に取っていただきたいモデルです。
皆様のご来店を心よりお待ちしております。
【型番(型番)】SDKV001 / SDKV003
【素材】ステンレススティール
【文字盤】パープル / ブルー
【ベルト】ブレスレット
【ムーブメント】自動巻き
【ケースサイズ】41mm
【防水性能】100m防水
【付属品】箱・保証書
【商品の状態】未使用品
【保証】3年



