~カルティエ、時の結晶 Cartier,Crystallization of Time~

こんにちは。 南青山クロンヌ ウォッチコンシェルジュ阿部です
国立新美術館で開催されている企画展に行ってきました。
https://cartier2019.exhn.jp/

10/2の展覧会初日は天気も良い一日でした。
展示テーマは「時間」。時計が好きな私たちにとってピッタリのテーマですね。

今回の展覧会は1970年以降の主に現代作品を中心とした展示になっています。
とにかく展示品の数が豊富で驚くとともに約半数が個人所蔵品で、それこそ資料や画像でしか見たことの無かった様々な貴重なコレクションを実際に見る事が出来るまたとない機会ではないでしょうか。
よくあるカルティエの展示はその歴史と共に作品を追って行くもの。しかし今回は色と素材、石の技法、カラーパレット、フォルムとデザイン、偶然や日常、ユニバーサルな好奇心、とテーマごとの構成になっています。頭の中が整理される様な、新しい感覚で作品に触れる事が出来たような気がします。
「序章・時の間」
真っ暗な中に突然現れるイントロダクション。
1908年製造の「逆行時計」の迫りくる大きさには度肝を抜かれます。
じっと見あげていると、反時計回りに逆行していく針に不思議な感覚を覚えます。
続く「時の間」には、カルティエを代表する芸術品の登場。
普段写真でしか見る事のない10体のミステリークロックと3体のプリズムクロック。
これだけの種類のミステリークロックを一堂に会する展示は初めてでした。
天井から垂らされた筒状の薄布の中に、一体ずつ展示されたそれらはまるで天から光が降りて来て、宙に浮いているような神秘的な印象でした。
実際に見たミステリークロックは、私の想像より小さいのに驚きます。
布越しですが、裏側までじっくり見る事が出来ます。
その先は
第1章「色と素材のトランスフォーメーション」へと続きます。
世界で初めてジュエリーにプラチナを取り入れたルイ・カルティエは、
カワセミの羽や珪化木といった宝石とは異素材との組み合わせの
可能性を追求してきました。


20世紀の芸術を変えたと言われる「バレエ・リュス」に影響を受けモダンな配色「ピーコックパターン」生み出しました。
そして沢山のフルーツを模した「トゥッティフルッティ」に見られる色彩使いの豊かさはインドから得たインスピレーションを元にしています。カラーパレットの様な色とりどりの展示が続く一章を抜けると・・・。
第2章「フォルムとデザイン」に続きます。この章は視覚に視点を置いた展示です。
球体や水流・煙に至る自然や事象に美を見出し、ジュエリーデザインに取り入れているカルティエのスタイルを見る事が出来ます。
ジュエリーや時計の建築的側面を際立たせるそんな展示になっています。
そしてカルティエは日常のアクシデントさえも創造のヒントにしました 「クラッシュ」シリーズです。
大谷石で出来た什器の中に・・・
1967年製 クラッシュ
2007年製 タンククラッシュ
2012年製 タンクフォル
2015年製 クラッシュスケルトン
2005年製 ディアゴナル
の5本が展示されています。
貴重で重要な作品を一気に見られて幸せでした。
そのほかファーストリストウォッチでもあるサントス・デュモンや100年以上前のパンテールから現行のバロンブルーに至るまで随所に展示されている時計達を見逃さないようにじっくり見る事をお勧めします。
私はミステリークロックと逆行時計は2度ほど戻って見返したことで、見終わるのに2時間ほどかかってしまいました。
これだけの規模の展示はこの先無いかも知れませんので、この機会に是非お薦めさせていただきます。

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展示構成を手掛けたのは「新素材研究所」です。
私は聞いたことが無かったので、少し調べてみました。
「新素材研究所」とは現代美術家の杉本博司氏が建築家の榊田倫之氏と立ち上げた、
「旧素材こそ最も新しい」という理念のもと、古代や中世、近世に用いられた素材や技法を
現代にどう再編して受けついていくかという課題に取り組んでいるプロジェクトです。
主に護王神社やMOA美術館、小田原文化財団江之浦測候所などを手掛けています。
会場内で特別目を惹くのは、斬新な什器の数々。
まるで大きな黒曜石を割った様な光学ガラスの什器。

ネックレスを飾るトルソーは屋久杉や神代杉で出来た仏師による別注品。

その他、掛け軸などの日本美術とハイジュエリーの組み合わせは絶妙です。
直方体の大谷石(私の地元、栃木の名産品)を積み上げ無機質な空間の中にテーマごとに展示されたそれは、時計やジュエリーの魅力を最大限に引き立たせています。
「新素材研究所」のアイディアとバランス感覚に感嘆しきりでした。
次は付随イベント⬇︎にも行って見ようと思っています。
http://www.2121designsight.jp/gallery3/art_de_faire/



