天頂の星 ゼニス

ゼニスというブランドについて、皆様はどのようなイメージをお持ちでしょうか?
長い歴史を持つブランドでありながら、次々と新しい要素を取り入れ、デザイン・素材・機構・技術力などあらゆる面で先端を目指す… まさにブランドロゴに込められた思いを体現し続けるブランドです。
新しい要素を取り入れ続け、新たなファンを獲得し続けているゼニス。時計の製作方法について業界に革新をもたらした過去や、歴史に残るムーブメントを開発していることなどはご存じでしょうか。
今回はゼニスについて、簡単にお伝えいたします。
★ゼニスの誕生・ブランドロゴ
ゼニスは1865年にスイス時計製造の中心地としてすでに栄えていたジュウ渓谷ル・ロックルにて創業されます。22歳の若さでゼニスを創業したジョルジュ・ファーブル=ジャコは、自身も天才時計師と呼ばれる腕をもちながらも、職人の手作業に固執せず積極的に機械による生産方法も取り入れて、過去にない“最高の精度を持つ最高級の時計”を生み出すことを目指しました。
ブランド名・ロゴに採用された「ゼニス」とは、天頂・頂点 を意味する単語で、天頂に輝く最高の星を意味しています。もともとは、パリ万博にて金賞を受賞した自社ムーブメントに付けられた名称であり、そのまま正式なブランド名として採用されました。その天空最高の星を表す星形をブランドロゴとして使用、リュウズや自動巻きローターなどあらゆるところに用いられています。


ブランドカラーはネイビーブルー&クールグレー。これにシルバーを加えた3色は文字盤やインダイヤルのカラーとして多くのモデルに取り入れられています。
★世界初の “本物のマニュファクチュール”
彼が革新的だったのはもう一点、その最高級の時計を生み出すために 「製造にかかわるすべての工程を自社で行うため、施設を作りすべてを集約させた」ところにあります。
当時のスイス時計生産は分業体制が主流、それぞれの工程で専門とするメーカーが技術力を発揮していました。すべての工程を自社で、しかも専業のメーカーと同等以上の質を目指すのはどれほどのハードルの高さかはわかるかと思います。彼は迷いなくそこを目指し、時計業界で初めて 全ての工程を一貫して自社で製作する「本物のマニュファクチュール」としてゼニスは誕生しました。
現在ではマニュファクチュールを名乗るブランドも数多くあります。しかしながら、ムーブメントの製造から、文字盤・塗装・ケースなど“時計にまつわる全て”を自社の工場にて製造しているブランドはごく僅か。ゼニスはそのパイオニアであることを忘れてはいけません。
★ムーブメント
ゼニスを語るうえで外すことが出来ないのがムーブメント。
少し時計に詳しい方なら必ず耳にしたことがあるであろう【エル・プリメロ】、この名称もまた エスペラント語でナンバーワンを意味する単語です。
誕生したのは1969年、世界初の自動巻きクロノグラフムーブメントの一つと言われています。ひとつ、というのは、この年に実は あと二つ 自動巻機構によるクロノグラフムーブメントが開発されているのです。
一つはなんと日本のメーカー セイコーによる「Cal.6139」。コラムホイール式・垂直クラッチという仕様で、のちにフレデリック・ピゲが作った有名ムーブメントcal.1185の元になったといわれています。現在ブライトリングやIWCなど多くのブランドが採用するクロノグラフムーブメントの主流ともいえる作りです。
もう一つは、ホイヤーが中心となりブライトリングやビューレン(現ハミルトン)など4社により共同開発された「クロノマチック」。カム式にスイングピニオンという2階建構造のクロノグラフモジュールを使い、マイクロローターを使用しています。構造上リュウズが左側にあるという特徴がありました。
これらに並び 現在もっとも有名と思われるのがゼニスの「エル・プリメロ」です。セイコーと同じコラムホール式・キャリングアームという方式を採用、最も特徴的なのは36,000振動という超ハイビートであること。現在も基本設計は変わることなく作られています。
自動巻きのスタンダードは28,800振動です。高振動になるほど精度は向上しますが、その分 パーツの摩耗やオイルの潤滑の問題、耐震強度などにクリアすべき課題が多いのが問題です。現在でもゼニス以外でこのハイビートを採用するブランドがほとんどないことからも、その課題をクリアすることがどれだけ高い技術を要するかが分かります。
また、0.1秒までクロノグラフ計測が可能なのも大きな特徴。一秒で一周するクロノグラフ針は非常に新鮮で迫力があります。お声掛けいただければ店頭で実際に作動させていただけますので ぜひご来店ください。
実は 「エル・プリメロ」は一度姿を消す危機にあったのをご存じでしょうか。ゼニスはクオーツショックのただなかでアメリカのブランドに買収された歴史があります。その時、機械式ムーブメントの生産停止およびエル・プリメロの金型や工具、図面の破棄などが指示されましたが、技術者の主要メンバーだったシャルル・ベルモ氏が秘密裏に保管しており、その後 ロレックスからの依頼を受けた際に それを用いてエル・プリメロを表舞台に復活させたというストーリーがあります。
このハイビートで高精度なムーブメントに目を付けたロレックスが コスモグラフデイトナに採用し、エル・プリメロは一気に一般ユーザーの中でも知名度を上げました。1988年、デイトナ初の自動巻きムーブメントとして搭載され、その後ロレックスが2000年に自社ムーブメントを開発・搭載するまで使われ続けます。その他 ウブロのスピリット オブ ビッグ・バンやパネライのルミノール クロノグラフ など多くのブランドにベースとして採用されています。


以上、ゼニスの特徴をお伝えしました。他にも、高精度で美しいムーブメントだからこそできるオープンワークなども魅力の一つです。
とくに 0.1秒までクロノグラフ計測が可能なクロノグラフの動作に関してはぜひ実際にご覧いただきたいところ。
現在当店ではゼニスがお求め易くなるフェアを開催しておりますので、是非この機に足をお運びください。お待ちしております。

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