ブランドこだわりのストラップ

例年通りの寒さと思いきや急に暖かすぎる気温に戻ったりと不思議な気候ですがみなさまいかがお過ごしでしょうか。
さて、先日は時計のレザーストラップについて、様々な素材や加工があることをお伝えしました。レザーストラップと一言にいっても沢山の種類があることがお判りいただけたかと思います。時計の技術だけでなくストラップも日々進化しており、その素材や工法についても時計ブランド・ストラップ専門メーカーともに研究が重ねられています。
そこで、本日は 各社こだわりのストラップについてご紹介したいと思います。
*ウブロ / ゼニス
ウブロとゼニスは同じLVMHグループに属し、ジャン-クロード・ビバー氏が総指揮を執っていたため 似たディティールのパーツが多く存在します。ストラップもその一つで、レザーストラップでありながら裏側にラバーを裏打ちすることでレザーストラップの弱点でもある汗や水への耐久性を格段にアップさせた“ラバーアリゲーター”というストラップが主流です。比較的大きく厚みがある同社の時計本体に負けないしっかりと厚みのあるストラップです。レザーストラップのような高級感ある見た目でありながら耐久性が高く、人気があります。

ウブロ – ビッグバン アエロバン スチールセラミック
*フランクミュラー
レザーやファブリック素材とラバーを組み合わせたストラップはフランクミュラーも得意としています。
ヴァンガードなど厚みのあるトノー型ケースへ組み合わせられることが多く、レザーの高級感とラバーの耐久性・使いやすさを併せ持ちます。カーフにパンチング加工を施したデザイン性の高いものなどもラバーを裏打ちすることで高い耐久性が期待できます。

アリゲーターとラバーの組み合わせ : ヴァンガード ヨッティング マリナー
カーフとラバーの組み合わせ [ ヴァンガード レーシング V45SCDT RCG ]
ファブリック素材とラバーの組み合わせ [ ヴァンガード V45SCDT ]
<オリジナル素材>
*カルティエ
カルティエが2022年にタンクマストと共に発表したのは 環境に配慮した新素材ストラップ。
その40%はなんとりんごから成る植物性素材。農産物加工産業用に栽培されたりんごの廃棄物からつくられる植物素材で構成されており、りんごの栽培や回収はスイス・イタリア・ドイツなどヨーロッパ各地でおこなわれています。そこからの製造工程においても水やエネルギー使用量を従来のストラップ生産時に比べて大幅に削減するなど環境保護に大きく貢献する新ストラップです。
カルティエ – タンクマスト LM
<ブランド コラボレーション>
*IWC
IWCが2011年よりパートナーシップを組むのはイタリアの高級革靴ブランドであるサントーニ社です。イタリア・ポートフィノの名前を持つ人気シリーズポートフィノを始め、現在はポルトギーゼなどほかのシリーズにも採用されています。
手作業による染色や伝統的な職人技を大切にするサントーニが、IWCの時計を彩るために特別に彩色し染め上げ、製作したストラップは独特の高級感ある風合いがあり、通常のIWC純正ストラップより高価格ながら非常に人気があります。
ストラップはサントーニ社のアトリエでサントーニ独自の象徴的な技術「パティナ」という手法を用いて一本一本手描きで色付けされていき、二つと同じものの無い絶妙なニュアンスをもつIWC専用ストラップが生まれます。IWCとサントーニ社は互いをリスペクトしあい、お互いの持つ伝統的技術により製作された傑作同士の出会いを誇りに思っている様子がそれぞれの自社サイトでの紹介からも伝わります。
・IWCによるサントーニ社の紹介ページ
・サントーニ社によるIWC専用ストラップページ

IWC – ポートフィノ ハンドワインド 8DAYS
絶妙な色合いと裏材の鮮やかなオレンジ色がポイントです。
*ジャガールクルト
ジャガールクルトはご存じの通りレベルソにおいてポロというスポーツと非常に深いつながりがあります。そこで、2011年より、ポロと乗馬用ブーツを手掛ける世界で最も優れたメーカーとして名高いカーサ・ファリアーノとのパートナーシップを始めました。カーサ・ファリアーノは100年の歴史を持つアルゼンチンのアトリエで、長い伝統により受け継いできた手作業による高い技術から生まれる柔らかくしなやかな高級レザーを扱います。IWCとサントーニ社同様、ジャガールクルトとカーサ・ファリアーノもお互いの持つ熟練した技術・クラフトマンシップ、そこからくる細部へのこだわりや情熱、完璧さへの追及という要素に共鳴し、互いに敬意を持つ素晴らしい関係性です。
ポロ用ブーツのディティールを取り入れたデザインが特徴で、そのレザーは非常にしなやかかつ耐久性にも優れています。また、染色された色合いも素晴らしく、レベルソの文字盤カラーとピッタリ合わせた高級感ある色味は非常に高級感があり美しいストラップです。
ジャガールクルト – レベルソ・トリビュート デュオ・カレンダー

ジャガールクルト – レベルソ トリビュート スモールセコンド
また、2021年にはカーサ・ファリアーノが夏のポロ競技用として手掛ける、“キャンバス地とレザーを組み合わせたブーツ”から着想を得て製作された 夏用新ストラップが登場。表面をキャンバス地、裏面にはカーフを裏打ちしたしなやかな付け心地になっており、さらにカーサ・ファリアーノならではのポロ競技用のカーフ素材のため汗や湿気に強いという嬉しい特徴があります。
*ウブロ
最後はコラボレーションと言えばということで再びウブロから。
高級革靴メーカーとして有名なベルルッティとコラボレーションしたモデルがあり、もちろんストラップはこだわりのベルルッティ製です。
ベルルッティは1895年創業、フランスの老舗シューズブランドで、ウブロとのパートナーシップは2016年から。美しい風合いが魅力のベネチアンレザーにパティーヌという手作業の塗装・スクリットという装飾を施した唯一無二の製品があり、ウブロとのコラボレーションモデルにも遺憾なくその技術を発揮しています。
パティーヌは何度も手作業により色を塗り重ねていく塗装技術で同じものは生まれません。スクリットはレザーの表面にカリグラフィーのように文字を刻印したもので、ベルルッティのアイコン的デザインであり、一目見ればベルルッティとわかるほど。ウブロとのコラボレーションでは時計の文字盤にもスクリット風の刻印デザインが取り入れられています。

左:クラシックフュージョン ベルルッティ スクリット フラットビアンコ・
右:クラシックフュージョン トゥールビヨン 5デイ パワーリザーブ ベルルッティ スクリット
これ以外にも、ロジェデュブイはF1でも使用されるタイヤメーカーとして有名なピレリとのコラボレーションにより生み出されたモデルに レースで使用されたタイヤの一部を使用するなど、レザー以外にも各社こだわりを持ったストラップが数多く存在し、現在でもより優れた素材へのアプローチは続けられています。
時計を見る際には是非、ストラップについても注目してご覧ください。メーカーごとのこだわりや、時計作りにも共通するクラフトマンシップ、ブランドの理念や想いはストラップにも多く反映されています。
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