透けて見える技術

まだ梅雨ではないのに雨予報が続いています。だんだんとジメジメとしてきますので 時計で手元を爽やかに演出したいものです。
先月はスケルトンの時計についてお話ししました。ファッションでもそうですが、透ける素材やデザインは見た目に軽く爽やかです。
裏からムーブメントが見えるだけでなく、文字盤を取り払うことで表からも中身を見ることが出来、時計によってはムーブメントを超えて裏側の景色が透けて見えるものも。
その様に非常にファッション性が高いとともに、普段隠す内部を見せるということは自信が無ければ出来ない事、ブランドの技術の見せどころだとお伝えしたかと思います。
このたび、そのデザイン性・ファッション性に加え最高の技術が見られる素晴らしいスケルトンウォッチが入荷しましたのでご紹介いたします。
ピアジェ
G0A45004 ポロ スケルトン

ピアジェの“ポロ”シリーズのスケルトンモデルです。
ピアジェといえば老舗マニュファクチュール。ゴールド素材にレザーストラップというラグジュアリーな王道ドレスウォッチを多く手掛ける中、ステンレスモデルのポロは、ラグスポウォッチとして人気があります。
2021年に発表されたこのスケルトンモデルは、ピアジェらしさが存分に発揮されたモデル。
なんといっても特徴は その薄さ、それを実現する優れたムーブメント。目で見て判る技術の高さと美しさ、老舗の品と風格漂う時計です。
~ピアジェ~
先ず簡単にピアジェについて。
ピアジェは1874年創業の老舗。創業者ジョルジュ・エドワール・ピアジェが工房を開いたことからその歴史は始まりました。彼の優れた技術は多くのブランドから引っ張りだこに… ムーブメント工場として成長を続ける中、徐々に時計全体を製作する力をつけていきました。
そんな歴史から、やはりピアジェの強みはムーブメント製作にあります。特に有名なのは“薄型ムーブメント”の分野。ピアジェを一躍極薄ムーブメントのパイオニアへと押し上げたのは、1957年発表の手巻き極薄ムーブメント「Cal.9P」、さらに1960年発表の当時世界最薄を更新した自動巻ムーブメント「Cal.12P」です。厚み僅かに2mmのCal.9P、2.3mmのCal.12Pという、この驚異的薄さは今まで実現できなかったデザインを実現するだけでなく、これまで強度上薄く出来ない天然石文字盤の時計を極薄のドレスウォッチに仕上げることを可能にし、ピアジェにしか創り出せない時計が数々生み出されました。
現在に至るまで、同じくムーブメント製作から歴史をスタートし極薄・極小ムーブメントを強みとする“ジャガールクルト”や、突如参入し世界を驚かせた“ブルガリ”らと技術を競い合い、極薄ムーブメントの世界記録をつぎつぎ塗り替えています。
Cal.9Pの衝撃以来、極薄ムーブメントは、ブランドの最も特徴的で最も技術の詰まった、ブランドの代名詞となりました。
ピアジェの素晴らしいところは、その極薄ムーブメントの開発が、ただただ技術のアピールではなく、その先に“エレガントで美しいピアジェらしさを存分に発揮する時計を作り出すこと”に向いているところです。極薄ドレスウォッチを代表するアルティプラノを筆頭に、そのムーブメントだからこそ実現できるエレガントで独創的なデザインがピアジェの特徴と言えます。
~ポロ~
1979年に発表されたシリーズで、モデル名は騎乗からボールを打ち合う貴族のスポーツ「ポロ」にちなんだもの。優雅でありながらも激しいこのスポーツは、ジャガールクルトが裏返すことで文字盤を守るレベルソを開発したきっかけとしても有名ですね。
優雅でラグジュアリーなドレスウォッチを中心に展開するピアジェの中で、スポーツ寄りのデザインシリーズです。ポロは発表当初はポロをたしなむような貴族向け、金無垢の展開でしたが、ステンレス製を前面に押し出した「ポロS」を発表、今ではラグスポウォッチに分類されるピアジェの人気シリーズです。
ラグスポウォッチの代表格、ロイヤルオークやノーチラスと同じくケース・ベゼルとラグが一体化したブレスレットデザインが特徴。一体化デザインと、ピアジェならではのその薄さで、他のラグスポウォッチよりもエレガントさ高いのが魅力です。

~ポロ スケルトン~
先述した通り、昨年2021年に発表されたポロシリーズの新作です。
満を持して、ピアジェの美しさ際立つスケルトンモデルが登場しました。
自動巻ながらこの時計の向こう側が透けて見えるスケルトン。見れば見るほどピアジェの技術の素晴らしさがわかります。

まず一般的にスケルトンとは、「文字盤を取り払って表からもムーブメントが見える時計」です。表側からも見え、さらに裏面もシースルーバックでムーブメントが見える、というものが多いですが、「表面からも、裏面からも見える」というだけで、“透けている”時計を指すわけではありません。
しかも通常、自動巻の時計はムーブメントと裏蓋の間に巻き上げ機構であるローターがあるので、ある程度の厚みがあるうえに、ローターが邪魔をして裏側まで見通すことは出来ないものが多いです。裏側まで見通せるスケルトンは、ほとんどが手巻きです。
サントス スケルトン (手巻き)
ポロ スケルトンのムーブメントは自社製Cal.1200S1。1960年発表の極薄自動巻Cal.12Pの流れを汲むピアジェを代表する極薄自動巻Cal.1200Pがありますが、そのスケルトン版でアルティプラノに搭載されたCal.1200Sをさらに進化させたムーブメントです。マイクロローターを搭載しており、現行モデルの通常ポロとは全くの別物と言えます。

通常ポロの時計の薄さ9.4mmに対し、ポロスケルトンの薄さは僅か6.5mm。スケルトンにするということは、中抜きをするということで、強度に問題が生じるのが必然ですが、通常モデルよりもさらに薄く仕上げてくるというところがピアジェです。しかもその堅牢さを実現するブリッジは鮮やかなブルー。実用性の確保だけでなくデザイン性・美しさを同時に実現してくるのがさすがと言えます。
薄さの一因を担っているのがオフセンターに配置されたマイクロローター。タングステンという金属を用いており、大砲の玉にも使われるその重さと硬さで薄型ムーブメントのマイクロローターの弱点でもある“強度”と“巻上効率”をクリアしています。実用面と美しさを同時にかなえていくピアジェ、このマイクロローターは裏面からはピアジェの紋章が、表からはブランドロゴが見えるよう刻印が施されています。ちなみに、通常ポロは一般的な巻き上げローターを採用、やはり薄さの一番の要因はマイクロローターのようです。
マイクロローター 表面・裏面
通常のポロの全面を使ったローター
さらにマイクロローターと重ならないよう、隣に配置されているのがゼンマイ。表面からその巻き上がっていく様子を見ることが出来るのが、機械好きとしてはたまりません。さらにそれを避けるように時計の輪列が配置されています。

斜めから見ると各パーツの薄さ、絶妙に折り重なる奥行きや、繊細さがよくわかります。眺めれば眺めるほどその技術の高さと美しさに見ほれる時計です。

ポロ スケルトンのもう一つの魅力は、新たに採用された「インターチェンジャブルブレスレット」です。
ここまでブレスレットモデルとしてご紹介してきましたが、実はアリゲーターのレザーストラップが付属しています。ユーザー自身で簡単にストラップの付け替えが出来、レザーストラップへ付け替えると一気に完全なるドレスウォッチの装いに。ラグスポながら超薄型であるこのポロスケルトンだからこその変身ぶりです。
しかも、さらなる特徴はこの「インターチェンジャブルブレスレット」の仕組みにあります。
最近この“ユーザー自身で付替えが出来る仕組み”を採用するブランドは増えており、1本の時計で異なる雰囲気を楽しむことが出来るため人気が高いものの、その方法は独自に開発した特許システムを用いるブランドが殆どで、汎用性に欠けることが難点でした。例えばレザーを新しくしようとしても、当たり前のように既製品は一切対応していない為、メーカー純正品しか選択肢がありません。当然メーカーが用意している色・素材しか手に入れることはできません。
しかし、ピアジェはバネ棒の両端につまみを設けたような非常にシンプルな仕様を採用。通常のバネ棒を使うことが出来ます。実際、付属する交換用のレザーストラップはアビエ式です。つまり、何も特別なことをしなくても既存のストラップと互換性があるのです。ということは、好きな色・素材のストラップと付替えることが可能、オリジナルでオーダーストラップを製作し使用する事も出来ます。
デザインとして独自性を最大限保つ一方で、ストラップの面では特別仕様で縛ることなくユーザーへの自由度も確保する。ピアジェの自信と懐の深さが垣間見えます。
ラグスポウォッチの堅牢性をもちながら、非常にデザイン性が高く、実用性と美しさ・優雅さを兼ね備えた ピアジェというブランドの魅力が詰まったとても素敵な時計です。ぜひ実物を体験しにいらしてください。

◆ピアジェ G0A45004 ポロ スケルトン SS スケルトン文字盤 自動巻き ブレスレット
【型番(型番)】G0A45004
【素材 】ステンレススティール
【文字盤 】スケルトン
【ベルト 】ブレスレット/レザー
【ムーブメント】 自動巻き
【ケースサイズ 】42mm
【防水性能 】日常生活防水
【付属品】箱・国際保証書・替えレザーストラップ
【商品の状態 】USED



